地中に埋めた壺みたいなもの

有益なものは何一つございません

明け方の海、少し肌寒い

「誰でも好きだから誰でもいいし、誰でも好きだから誰でもよくない。」

だって。

君のことが好きな私は悲しいけど、そう言っている間は誰のものにもならないで居てくれそうだから安心もする。君はもうすぐ都会へ旅立つから、そこでたくさんの人と出会って唯一の誰かを見つけてしまうかもしれない。せめてそれまでは、君が好きを受け取ってくれる間は、たくさん好きをあげる。

旅立つという話を聞いて以降、つい終わりに思いを馳せてしまう。色んなことが変わってしまうだろうし、その変化を私は受け入れられるんだろうか。有限を感じながらの日々は常にうっすらとした切なさが足元に満ちていて、まるでずっと遠浅の海を歩いているみたいだ。いつの間に私はこんなに怖がりになってしまったんだろう。