地中に埋めた壺みたいなもの

有益なものは何一つございません

明け方の海、少し肌寒い

「誰でも好きだから誰でもいいし、誰でも好きだから誰でもよくない。」

だって。

君のことが好きな私は悲しいけど、そう言っている間は誰のものにもならないで居てくれそうだから安心もする。君はもうすぐ都会へ旅立つから、そこでたくさんの人と出会って唯一の誰かを見つけてしまうかもしれない。せめてそれまでは、君が好きを受け取ってくれる間は、たくさん好きをあげる。

旅立つという話を聞いて以降、つい終わりに思いを馳せてしまう。色んなことが変わってしまうだろうし、その変化を私は受け入れられるんだろうか。有限を感じながらの日々は常にうっすらとした切なさが足元に満ちていて、まるでずっと遠浅の海を歩いているみたいだ。いつの間に私はこんなに怖がりになってしまったんだろう。

確信犯

……だったら怖いな、と思ったけど、私の考えすぎで何の意図も無いかもしれない。私に揺さぶりをかけたところで、彼には何の意味も無いもんね。

彼の発する些細なワードが、思い出の端々を引っ張り出してきて私が勝手に囚われてるだけなんだよねぇ。滑稽。

伏線はどこに

少しのキーワードだけを提示して全てを語らず放置するの、された方はとっても不安になるから本当にやめてほしい。 

分かってほしいの?察してほしいの?

別々の個体である以上、ぜったいに完璧に分かり合うことはないんだから、伝えるつもりがあるのなら言葉を尽くしてほしい。伝えるつもりが無いのならば、最初から意味あり気なキーワードなんか出さないでほしい。

むしろこれって、分かるか分からないかの篩に掛けられたんだろうか。

中途半端に察して、でも相手の考えていることは分からないから、返事が無い間ぐるぐる思い悩むしかできない。わざとやってるなら滅茶苦茶タチが悪いけど、おそらくそうじゃないんだろうなぁ。

「分かんないや」と言ったら良かったのにね、放り出したくなくて引き寄せようと頭を働かせたらこの結果だもん笑えない。

矢印の先は樹海でも

私は愚かなのでまた満月の君に会う約束を取り付けてしまいました。

だってまたチャンスがめぐってきて、ダメ元だったのに、まさか了承してくれるとは思わなかったんだもん嬉しいよう。

周りからはきっといい歳してって思われてるんだろうな、一回り近く下の子に自ら振り回されにいってるんだもんなぁ。そしてまたきっと数日後に病むことになるのも目に見えている。前回病んだ時、友人たちからめっちゃ心配されたから、今度は病んでるのあんまり表に出さないようにしよう。

でも嫌われてないみたいなのは嬉しい……またたくさん好きって伝えられる……。遠慮と節度を忘れないで、彼が重たく感じない程度に、直接渡すのはキレイな好きだけにしなきゃ。

宛名のない私信

一度意識しだすと駄目だ、際限なく落ちそう。

前の満月の日を思い出して泣きそうなので近所の居酒屋さんに来たけれど、外にも関わらず目が潤む。

悲しい事なんて一つも起こっていないのに。一夜の夢を見てしまった私は欲深い諦め切れない浅ましい。

好きなのほんとに大好きなんだよ、それは本当。だけどこんな綺麗じゃない好きを向けられても困るよねごめんね。